過去最低を更新した金利の低下で住宅ローンは借り時?

アゴラ 8月11日(土)

住宅ローン金利の下落が続いています。7月に過去最低を更新したフラット35の金利は、8月に入ってさらに低下しました(長期のローンであれば最低金利が7月は1.94%、8月は1.84%)。

また、住宅版エコポイントは7月に終わりましたが、金利が優遇されるフラット35Sと、住宅ローン減税はいまだに継続中で、消費税の増税も本日の8月10日に参院で決まるでしょう。

金利は低く、購入支援制度はあり、消費税も近いうちに上がる。ここまで外部環境が整ってしまうと「今が買い時だ!」とか「今が借り時だ!」と浮き足立ってしまう人も少なくないでしょう。しかし、株式投資では慎重派が買いに動く時は株価が天井だと相場は決まっています。

さて、では今は本当に借り時なのでしょうか?

過去に借りた人が借り換えをするならばタイミングとしては悪くないでしょう(さらに下がったとしても再度借り換えをすれば良い)。事業用資金なども、今のうちに借りておくという判断はありえます。

しかし、今住宅を買うべきかどうかは別問題です。外部環境が整っているという事はそれだけ住宅市場にお金が流れている事を意味します。つまり、それだけ住宅価格がかさ上げされているという事でしょう。

株式市場では、ある企業に利益が増えたとか新製品の売れ行きが好調だといった情報があったとしても、それが世の中に知れ渡っている公然の情報であれば、その情報は株価に反映されてすでに値上がりしています、つまり公然の情報をもとに売買をしても利益は出せない、と考えます8。これを「情報が織り込まれる」と表現します。従って株価が大きく動くのは未知の新情報が出てきた時、という事になります(これはその企業ごとの個別の情報の場合もあれば、失業率が改善されたとか設備投資が減っているといった景気全体に関わる情報の場合もあります)。

不動産市場は株式市場ほど効率化がなされているわけではないので(株の売買は証券取引所に集中しているが、不動産は全国津々浦々で売買されている)株と全く同じ扱いは出来ませんが、理屈の上では同じように考えて問題はありません。その上で、地域ごと、建物ごとに異なる個別の事情を考慮すべきです。

家を買うのは慎重に考えるべきといった話をすると、ごく一部の特殊な事情を持ち出した上で「買った方が絶対に得だ」と反論をしてくる困った方が僅かにいるのですが、それは「アップルの株を10年前に買っておけば大儲けしていた、だから株は買った方が絶対に得」という位に飛躍した論理であるといわざるを得ません。

正しくは「過去10年、日経平均やニューヨークダウはアップダウンがかなり激しい時期だったので株式投資で利益を出すのは難しい状況だったが、アップルのような一部のエクセレントカンパニーは継続的に成長を遂げた」といった具合に、全体→個別という手順で考えるべきでしょう。

先ほど説明した金利の低下を始めとした「購入する際に有利な状況」というのは誰もが知っているので、それによって買うことが有利だと判断するのは間違いです。これは1ヶ月も前に利益が倍増したと日経新聞の1面で報じられた企業の株を、「業績が好調だから」という理由で買う事と同じ位マヌケな行動です。

それでも今が買い時だとしか思えない・・・という方は家電エコポイント制度が終わったあとに液晶テレビがどれ位値下がりしたか、それによって家電メーカーがどれだけ大赤字をこうむったか、といった事を考えれば、外部環境がいかに本来の価格をゆがめてしまうか良く分かるでしょう(この話は「高額商品は消費税増税後に買え~価格は市場が決める~」でも書いた)。これは増税後がお得とか、住宅ローン減税が終わった後に買えば良いという話ではありません。購入支援制度が終わる時期や増税される時期も決まっているので、事前にタイミングをはかることで利益を狙うのは難しいという話です。

住宅購入はあくまで自身とパートナーの収入、雇用の安定度、頭金はしっかり貯まっているか、といった内部環境を元に判断すべきで、外部環境に振り回されると判断を誤る、と肝に銘じておきたいです。

売買のタイミングはリターン(結果)に大きな影響を与えない、という事は株式投資ではすでに常識と言っても良い話です。株式投資において結果に一番大きく影響を与えるのは、タイミングや銘柄の選択ではなく、資産配分(アセットアロケーション・手持ちの資金をどの資産にどれ位の割合で投資するか)だと言われています。これはリターンの7割から9割を決めるという研究結果が発表されています。

住宅購入にアセットアロケーションの理論を適用するならば、一番大きな意思決定は「買うか買わないか?」つまり持ち家か賃貸か?の判断でしょう。その次は「いくらの家を買うか?」、そして「いくらのローンを組むか?」、次が「何年で返済するか?」でしょう。リスクを決定付ける「金利は変動か固定か?」も与える影響度はこれらの判断と並んでかなり大きいです。「いつ買うか?」は重要度として相当低くなります。

住宅を買う時には決めなければいけない事が多すぎて何を重視すべきか混乱しがちですが、これ位シンプルに考えた方がかえって正しい結論を導く事が出来るでしょう(壁紙の色と固定か変動か?を同列に考えるような事だけは避けたい)。これは住宅版・アセットアロケーションとしてぜひ覚えてほしいことです。

もちろん、タイミングをうまく取ることが出来れば損益に大きな影響を与えますが、それは将来の不動産価格や金利を事前に予想できる、という無理な前提の上でしか成り立ちません。

株でいう銘柄選択は「一軒家かマンションか?」や「どの地域に家を買うか?」といった部分にあたるでしょう。もちろんこれも人生に大きな影響を与えるでしょうが、影響度で言えば買うか買わないか、いくらのローンを組むか、といったものよりは低いです。なぜなら住宅ローンが破綻すれば、家がどんな形態であろうとどこに住んでいようと家を手放す事に変わりは無いからです。よっぽど余裕のある人ならば別でしょうが、返済に少しでもリスクのある方ならば、考えるべき優先順位を間違えないように注意することがいいでしょう。

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「マイホーム」時代の終焉

MONEYzine 7月1日(日)

不動産・住宅情報ポータルサイト「HOME’S」を運営するネクストは「HOME’Sマーケットレポート」を6月19日に発表しました。

調査結果によると、「HOME’S」に掲載されている首都圏の不動産の内、問合せがあった物件の平均価格は、築10年未満の一戸建て住宅が3,495万円で前月比2.4%下落、築10年以上の一戸建て住宅が2,488万円で前月比3.6%の上昇でした。また分譲マンションでは、築10年未満のマンションが3,009万円で前月比12.1%の下落、築10年以上のマンションが1,842万円で前月比11.9%の下落でした。問合せ状況を見る限り、低価格志向が強まっていることが分かります。

そんな中、「マイホームの買い時感が好転している」という調査結果があります。ハイアス・アンド・カンパニーが、1,836名を対象として6月に実施した「住宅購入に関するアンケート調査2012」によると、「一般的に、今がマイホームの買い時だと思う」と感じる人の割合が45.8%で、昨年の調査を6.8ポイント上回りました。

その理由を聞くと「住宅ローンの金利が下がってきているから」が53.9%でトップ。次いで、「今後、消費税増税となる可能性があるから」(48.5%)、「物件価格(不動産価格)が下がってきているように思うから」(47.5%)と続きました。

ただ、「マイホームの買い時感が好転している」といっても、購入を考えていない人も多いのです。同社の調査によると、マイホーム未購入の人に、自分にとって今がマイホームの買い時だと思うか聞いたところ、71.0%の人が「買い時だと思わない」と回答しました。さらに、将来的にマイホームを購入したいと思うかを聞くと、「購入したい」が52.8%になり、昨年の70.3%より約2割近く減少しました。

消費税増税法案が正式に決定すれば、一時期にマイホームの駆け込み特需も予想されます。しかし、その一方で消費者のマイホーム購入意欲が弱まっている様子がうかがえるのです。

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住宅市場低迷でも高利回りで米REIT人気

ロイター 5月1日(火)

米国の住宅市場はなお低迷していますが、今年のウォール街ではモーゲージ(不動産担保貸付債権)関連資産に投資するファンドが大人気です。

ヘッジファンドから投資銀行に至るまで、数多くの金融機関がモーゲージファンドを立ち上げました。モーゲージ担保証券(MBS)に投資するものが多いのですが、割安感の出たモーゲージ自体の物色に焦点を絞ったファンドもあります。

実質ゼロ金利政策下で投資家は高利回りを渇望しています。モーゲージ関連投資は、住宅市場が上向いた際に値上がり余地のある魅力的な資産クラスだとみられているのです。

たとえ住宅販売と価格が回復しなくても、MBSは国債に比べて利回りが高いため運用成績は良好です。ただし金利が急上昇したり、米経済が大幅に悪化してモーゲージのデフォルト(債務不履行)が急増する場合にはリスクが大きいでしょう。

銀行が複雑な証券化商品の組成を競って金融危機を招いたサブプライム住宅ローンブームが再来したわけではありません。投資家が関心を示しているのは、質の高いモーゲージ証券であるにもかかわらず大幅に値下がりし、住宅市場が落ち着きを見せ始める中で割安感の出てきた資産です。

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