尖閣「政府購入で合意?」地権者側は「東京都に売却」変えず?

J-CASTニュース 9月3日(月)

沖縄県・尖閣諸島を日本政府が購入することで地権者と合意したなどと報じられ、波紋を呼んでいます。当初は、地権者が東京都への売却に前向きと報じられていたからです。

「政府 尖閣購入で地権者と大筋合意」などと報じたのは、NHKなんです。

2012年9月3日のニュースでは、政府は、地権者と交渉を続けた結果、20億5000万円で購入することで大筋合意したとしました。9月中の国有化を目指して詰めの調整をしているということです。石原慎太郎都知事は、8月19日に行った野田佳彦首相との極秘会談で、漁船待避のための船だまり施設整備などを国有化の条件としていたが、これには応じない方針だとしているのです。

また、読売新聞もこの日、「尖閣、国が20億円前後で地権者から直接購入へ」などと報じました。政府筋が明らかにしたとして、国の予備費を充てる方向で最終調整しているということです。「政府としては、都を上回る額を提示することで、国有化への理解を地権者に求めたい考え」と伝えました。都が地権者の上陸同意書を提出できなかったのも、地権者との交渉が順調に進んでいない現れとの見方も紹介しています。

これらの報道が出たのは、石原知事が政府の対応に激怒した矢先でした。

石原知事は会見やテレビ番組などで、野田首相から「何の返事もない」として、「首相を見切った」「もう政府を相手にしない」「東京都が買う」とまくしたてていました。今後は、沖縄県や石垣市と3者で購入を進め、10月には逮捕も覚悟で自ら上陸調査をしたいと宣言しています。

地権者が政府に傾いたと報じられたことについて、ネット上では、「結局金かよ」「こんなのどう考えても、価格つり上げ競争だろ」と疑問視する声も相次いでいます。

もし20億円余で政府が購入すれば、地権者にはかなりの利益になるようです。

無人島も扱っている不動産投資情報会社のファーストロジックによると、地権者が1970年代に尖閣を購入したときの現在価値は、消費者物価指数から単純計算すると、約1億3800万円です。とすると、政府が購入すれば、地権者は19億円余もの売却益が得られることになります。現在は、政府が年2450万円で尖閣を賃借しているのですが、利回りにすると単純計算で17%に当たります。投資用物件の平均が10%前後であることから、高い投資効率になっているといえるでしょう。

とはいえ、地権者側からは、報道内容に反するような証言がされているのです。

TBS系で2012年9月3日に放送された「朝ズバッ!」では、地権者の弟の栗原弘行さん(65)が生出演し、尖閣を直接国に売ることがあるのかと聞かれて、「現時点ではちょっと難しいですね」と即答しました。

栗原さんによると、石原慎太郎都知事が衆院議員だった1970年代から、石原氏らから尖閣購入を打診されていたということです。自民党内のタカ派グループ「青嵐会」の1坪運動を受けたもので、そのときは合意しなかったのですが、40年近い付き合いを通じて、石原氏に託せるものを感じているというのです。そして、都の購入打診を断る意向については、「全然ない」としました。

一方、日本政府からのアプローチはあるものの、金額の提示は「まだない」というのです。栗原さんは、「金額だけが1人歩きしている」ともしています。

金額などの条件については、「条件がいいからこっち行っちゃうよ、そういう信条は持ち合わせがない」「お金より、10万人の方たちからご支援いただいているという方が大きい」と強調しました。

なぜ、栗原さんの証言は、報道とまったく食い違っているのでしょうか。ネット上では、政府が自らの有利なようにマスコミに情報を流しているとして、「地権者と都の分断作戦かよくやるよ」「政府のプロバガンダっぽいな」との声も出ていますが、真相は不明のままです。

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