カナロコ 6月9日(土)
中古住宅が住宅流通市場で存在感を示しています。新築に比べて手ごろな価格で購入できることから、不動産各社はリフォームをはじめ幅広いサービスを提案することで、中古住宅に安心感や満足感という付加価値をアピールしているのです。
東日本不動産流通機構によると、4月の神奈川県の中古マンションの成約件数は2011年同月比11・0%増の686件でした。首都圏全体では16・4%増の2628件で、東日本大震災直後の前年同月と比べて大幅に上回りました。「若年層を中心に、中古住宅を思い通りにリフォームして暮らすことに関心が高い」ことが背景の一つです。
顧客の暮らしへの思いを丹念に聞き出して提案を重ねるオーダーメードの手法がリフォームにも導入され始めています。理想通りのリフォームを行ったことは、大きな満足感になるようです。
中古マンションは構造や規約上、リフォームに多くの制約を受けるケースが少なくありません。購入する前の勉強が必要なようです。
一定レベルの品質を確保した中古住宅を認定する新サービスを行っている会社もあります。第三者機関による「一戸建て住宅の事前検査(インスペクション)」をはじめ「リフォーム工事費組み込み型ローン」、「アフターサービスの継承」など幅広いサービスが展開され始めています。
日本の全住宅取引量に占める中古住宅の割合は1割。米国やフランスでは7割以上、英国では9割近くに達します。国土交通省は3月、新築中心の従来の住宅政策を転換し、リフォームにより中古住宅の利用を促していく「中古住宅・リフォームトータルプラン」を策定しました。2020年までに中古住宅・リフォーム市場を現在の倍の20兆円規模に育てる方針を打ち出しています。
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