J-CASTニュース 7月12日(火)
東日本大震災直後、企業が東京から大阪へ本社機能の一部などを移す動きが起こったことで、大阪のオフィス需要が高まったが、どうやら一過性に終わったようです。
余震や東京電力の福島原発事故による放射線漏れを心配して、カジュアル衣料のH&Mや家具・インテリアのイケアといった外資系企業を中心に、大阪への「疎開」が相次いだが、電力不足への懸念が広がりで、もとに戻ってしまいました。
2011年6月末の大阪市中心部(梅田、淀屋橋、本町などの6地区)のオフィスビル平均空室率は、前月に比べて0.24ポイント低下して11.76%だったようです。改善は2か月ぶりです。ただ、その幅はわずかで、テナント誘致競争は厳しさが感じられます。賃料も下落傾向が続いています。
6月期のオフィス空室率は3月期に比べて0.1ポイント上昇の11.2%となったようです。4~6月期に3棟のオフィスビルが竣工したましたが、Sクラスと呼ばれる延べ床面積1万坪以上のビルが空室を抱えたまま竣工したことで空室率が上がったのです。
大阪市ではこうした大型供給が続いています。それもあって供給過剰がおさまらず、空室率が高止まり傾向にあります。それでも、震災前の予測よりも、震災後のほうが落ち込みは小幅です。一時避難の企業は去りましたが、バックアップとしてオフィスを抑えている企業はまだ残っているからです。
しかし、このバックアップとしてのオフィスも、東京に戻るのではないかと根年されています。
原因は、電力不足が関西電力エリアにも広がってきたためです。関電が所有する、福井県にある原発の再稼働が見送られ、8月までに計6基が運転停止となる可能性が高まっています。
関電は「節電協力」を呼びかけているのですが、このまま原発が再稼働できないと深刻な電力不足に陥ることになります。
データセンターの移設は進んでいます。震災直後から、計画停電でサーバーやパソコンが一時的にでもダウンするのを恐れるIT企業などからの問い合わせが比較的多かったのですが、「リスク分散の点から、東京と大阪のどちらかが被災しても大丈夫なように、データセンターは東西に分けて置いておこうと考える企業が増えているようです。
強固な耐震性や自家発電装置を備えていることなど、大規模データセンターを受け入れることできるオフィスビルは数が少ないこともあり、「空きがない状態」といいます。
とはいえ、データセンターだけではオフィスビル全体の空室率を押し上げるほどの需要があるわけではありませn。
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